略歴
1935年愛知県常滑市に生まれる 愛知県常滑高等学校窯業科卒業 陶磁器デザイナー日根野作三氏に師事 河島浩三 山田光氏と三位陶苑(京都)設立 四日市市小杉町へ「天水窯」築 現代日本陶芸展 京都クラフトデザイン展等に入選 ペンリス陶芸祭(英国) 日英陶芸祭等に参加出品 平成14年度四日市陶芸協会 会長 著作に作品集「稲垣太津男の仕事」
稲垣さんの作品を見る度に思うこと。
作風が若い・・。そして、枯れずにいつまでも新鮮、だということ。 (作風だけでなく、稲垣さん自身もとても高齢の方に見えない若々しい印象を与える方) 稲垣さんの感性が年齢に関わらずいつまでも若いということなのでしょうが、見る人に爽やかな印象を 与えるもうひとつの理由は、大らかなフォルムとそこに施される柔らかい様相の釉薬にあります。 後輩の作家さんは、 「適当に選んだ原料では調合できない。よほど材料を吟味した釉」 と言います。 伊賀の良質な陶土を木箆でさっと削いだ生地。 そこに、この志野の風合いを持った乳色の釉が施されると、微小な気泡と痕跡、そして大胆な箆目は淡 い陰影を作ります。 そして、ランプのトップライトで照らされると、変化に富んだ陰影が浮かび上がり、いっそう活き活き とした印象を与えます。 釉薬の表面は半光沢のマット(艶消し)。光沢面の強い反射がありません。 LEDを用いても、過剰な光を吸収して、柔らかい表状になります。 場所を選ばず、何処に置いてもさりげなく溶け込んでしまうのが、 稲垣さんの作風の持ち味です。 |